どうという事もない日々の記録

[ はてなブログ版] 出かけた時の記録や備忘録的なメモなど。

[読書]逆転の夏

山本洋司は30歳の時に女子高生を殺している。服役し出所後、保護司の紹介で今の「ノザキ典礼搬送」に勤めている。職場を得られた事で満足している。少ないながらも別れた妻や子に保護司を通して仕送りも出来る。
そんな時に、ある人物を殺してくれないかと依頼を受ける。何故自分が分かったのだろうと不安になり話を少しづつ聞いていく。その度に預金通帳にお金が振り込まれている。結局殺人依頼を受けるのだが、ここに至るまでの、不安な気持ちがこちらに伝わってくる。
かって殺害した女子高生の父親の犯人への報復したい気持ち、保護司の老人会の実力者。これらが山本の前歴を利用した形で追い詰めてゆく。
中篇くらいの長さがある分細やかに描かれていて読み応えを感じる。