自 伝
3人のフリーの作家が、ゴーストライターとなって自伝を書くグループを作った。仕事は輪番制で、いい仕事が来ても不満の言いっこなしで順番に当たっていく約束になっている。
只野正幸は県内に168の店舗をもつ家電量販店の社長の自伝を書く仕事が順番で回ってきた。
仲間の二人は社長と面接したのだが不合格になり、只野が合格した。
社長の話を聞いて行くうちに、30年前に「わしは人を殺したことがある。」といいだす。
只野の母親は只野の幼い内に行方知らずとなっている。話を聞き進むうちに社長の殺したのは自分に母親と確信する。社長も殺したのが只野の母親と知って彼を自伝のライターとして合格させたのである。
単なる高額の仕事のライターから、社長の殺人が自分の母親と言うネタをつかみ更に上が望めると気持ちの変わっていく様がよく出ていた。しかもどんでん返しも食う。