どうという事もない日々の記録

[ はてなブログ版] 出かけた時の記録や備忘録的なメモなど。

八重山吹

桜も終わり新緑が美しい季節になってきた。
この伏見の地に住むようになって程なく10年近くになる。
これまでは外食をすることとは滅多にないのだが
ここに越してからは週に二回は近くでランチを食べるようになった。
カミさんが昼を作るのが面倒になったことにも依るが
600〜700円位の定食を摂る。
店をあちこち変えながらのランチは今の一寸した贅沢かもしれない。

そんな今日も、大手筋商店街へ出かけた。
途中に金札宮という神社がある。それ程大きな神社ではないのだが
古くから伏見の地にある神社だそうだ。
その鳥居の傍に山吹が綺麗に咲いていた。
伏見の前に住んでい所は氏神松尾大社で、
ここが山吹の名所として京都では知られている。

「なヽへ八重 花は咲けども 山咲の        
    みのひとつだに なきぞあやしき 」(後拾遺 1154)
太田道灌の逸話として有名な八重山吹は黄色が美しく
小さな花なのにぼってりとした質感を感じる花だ。
狩りの帰り、雨に遭い蓑を借りようとして一軒の農家に入った道灌。
その屋の少女がこの八重の山吹を差し出したそうだ。
古歌と蓑が無いということをかけたもの。
曖昧な物覚えしか無いが改めて知ると趣きのある逸話だ。

伏見の酒蔵街に流れる宇治川派流の川べりの柳も新緑が美しかった。
今しばらくがこの風景が楽しめる。