どうという事もない日々の記録

[ はてなブログ版] 出かけた時の記録や備忘録的なメモなど。

[読書]動機

貝瀬正幸はJ県警本部警務課企画調査官である。
警察官が勤務を離れた時の警察官手帖を紛失する事故が再々あるので、その防止対策として手帖を一括して署内で保管する方法を彼が提案した。反対意見がある中でこの制度が実施された。
U署でこの保管している手帖30冊が紛失した。ことの処理に貝瀬も当たる事になるのだが、当然冷ややかな視線を浴びる。
疑わしい人物として、紛失当夜の当直であった定年退官直前の大和田徹巡査部長が浮かび上がる。「軍曹」と言うあだ名がつけられているほど、県警きっての堅物の男。
警察内部という我々の窺い知る事のできない社会がリアルに描写されている。この種の小説では大沢在昌新宿鮫シリーズや、高村薫のもので読んだ事があるが、傾向は一寸違うがそれに劣らないと思う。