どうという事もない日々の記録

[ はてなブログ版] 出かけた時の記録や備忘録的なメモなど。

新潮6月号は100周年特大号と銘打って分厚い保存版となっていた(¥1300)。

この雑誌とも古い付き合いだ。よく読むときもあるし、読まないときが続いて購読を中断した事もある。
今月号に付いている100年譜を見ると、読み始めたのは1965年(昭和40年)からになる。
読み始めをなぜ覚えているかと言うと、「姪の結婚」(井伏鱒二作)が印象に残っているからだ。題名から想像できないような広島原爆の場面が生々しく描かれていて強い感銘を受けた。後に「黒い雨」と改題されたこの小説が連載されていたのが毎月買うきっかけとなっている。同じその年の10月号に奈良女子大の数学の教授だったか(記憶あいまい)と小林秀雄の対談「人間の建設」が載り、これがその号の大部分を占めるような形で掲載され、一気に読んだ記憶もある。
文芸雑誌というと堅苦しいように思われそうだが、今でも中々味のある作品にぶつかると、読むことの楽しさを満喫させてくれる雑誌だ。